考え抜いたあとは、余計なことを考えるな‐書評‐答えが見つかるまで考え抜く技術

カリスマ予備校講師の表三郎著作。本書の内容はタイトルとおり、「考え抜く技術」を紹介しています。なぜ、「考える技術」ではなく「考える技術」なのか?世の中考えている人は多いが、答えが出るまで考え抜いている人は案外少ないという著者の思いがここに現れています。ぼくも考え抜いてない一人でした。

この本、正直なところ読むのに、かなりの覚悟は必要です。厳しい言葉をズバズバと投げかけてきます。自分がいかに考えたつもりだったか思い知らされました。

具体的な思考術については本書で確認していただくとして
本書はこのように述べています。

「問い」もないのに考えるということはありえない。それは考えているつもりである。
筆者のいう「問い」とは、問題意識を持っているとかそういう次元ではありません。人生を賭けてでも、解き明かしたいもの。それが「問い」です。

しかし、たいていの場合、どこかでその問いかけをやめてしまう。
なぜなら、その答えらしきものを見つけてしまうからだ。誰かがメディアを通して「経済とはこういうものだ。」ともっともらしい顔して語る。あるいは宇宙の謎に就いて科学者が本を書いている。とりあえずはその答えを信じておけば、考える必要がなくなるわけだ。
どんなに一生懸命、新聞を読んだとしても、そこで得られる知識は、他人の意見の受け売りにすぎない。ところが、スーパーの野菜売り場を自分で観察すれば、自分なりに考え抜いた意見を持つことができるようになるのだ。
筆者は言います。考えることは生きることだと。人の意見をそのまま受け流すんではなく、自分の頭でしっかりと考える。これ簡単なように、見えてとても難しい。難しいけど、自分の人生の問いは自分にしか答えらないのです。

「何も考えずにやる」という考え方。最後には人間実践しなければいけない。机の上で考えるだけではなく、その考えを行動に移してこそ、考えた意味がある。
さらに考えただけではダメだと説きます。考えぬいた末に、何も考えないでひたすら実行する。覚悟を決めて実行しなければ考えた意味がないのです。

「私には好きなことがあるだろうか。」
「オレはいま、好きなことに取り組んでいるだろうか。」
ぼくは、この二つの「問い」にしっかりと答えられるように考え抜いていきたい。それが人生を生きるということなのだから。

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