50冊レビュー 6冊目:『自分の小さな「箱」から脱出する方法』

就職活動中、学生に求められている能力として、よく「コミュケーション能力」があげられます。「会社に入る=チームで目標を達成する」ですから、たとえ(今すぐ)仕事ができなくても、コミュニケーションさえ取れればなんとかなるからでしょうか。

さて、この本には、コミュニケーションの本質。
っていうか人間関係の本質が「箱」という概念を使って書かれています。相づちのタイミングだとか、声のトーンを変えるだなどの小手先の技術を身に付けるより、この本の中身を自分のモノにしたほうがよっぽど人間的に成長できる気がします。てか、できます。正直、僕はあのみんなが絶賛する古典「人を動かす」よりも役に立つと思います。

この本を薦める大きな理由は著者の言う「箱から出る方法」が非常にシンプルで強力であること。例えば、相手の顔見て声のトーン変えるだとかは結構難しいですが「箱から出る方法」はいたって簡単です。(具体的にどうしたらいいかは本書を読んでのお楽しみ。)

そして、非常に読みやすいこともあげられます。ストーリー仕立てで、「箱」の概念と「箱に入っていることで問題が引き起こされる理由」などを順番に説明してくれるので、まさに本書の主人公と同じ気持ちで教えを受けることができます。

この本はとくに「自分には問題はない。この問題の原因はあいつにある」と思っている人に読んでもらいたいです。そういうときに限って本人は「箱」に入ってしまっていて、問題の原因が自分にあることに気づいてません。恥ずかしながら、僕もそうでしたし、未だに箱に入ってしまうこともあります。ですが、この「箱」の概念に知ることで、少なくとも問題解決の糸口が見えてきます。

問題を抱えているなか、この本を読むと自分が情けなくなることもありますが、読み終えたとき周りの人に「ごめんさい。ありがとう。」って言いたくなる一冊です。


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http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2005/10/post_2312.html

タイトル:自分の小さな「箱」から脱出する方法
副題:人間関係のパターンを変えれば、うまくいく!
著者:アービンジャー・インスティチュート